蓬莱の猫

好き勝手書くだけだよん

溺れるような読書体験、「イリヤの空、UFOの夏」

 うーん、読み切ったぞい。秋山瑞人の唯一完結している作品、「イリヤの空、UFOの夏」です。

イリヤの空、UFOの夏〈その4〉 (電撃文庫)
 

 4巻は読んでて文に溺れるような感覚を味わう。苦しい、呼吸を、息を吸わせてくれ、と言いながらも読み続けてしまう。解放されるには読みほすしかないのです。

もう14年も前の作品になってしまいましたか。思春期に読んだときはもっと真っ黒なイメージを受けてました。まあ今回も結構くるものがありますが。

世界観とかどうも共産系の日本国が北軍と称されて垣間見られたり、軍の権限が妙に強かったりと気にはなりますが、そういうのはスパイスに過ぎません。

本流はイリヤとの絶望旅を続ける浅羽君の気持ちを味わうことにあるのです。無力を味わう少年。うへえ、つらい。

結局のところ、抑圧を好き好んで受けに行って解放されてあーすっきり、という体験をしたいがために読む本。バッドエンドをひたすら集める作業に似ているなあ。